【要約】

以前紹介した理系脳-理系に強い子どもに育てる技術と同じ著者の本です。

 

著者は教育専門家ですが、以前は建築家もしていた経歴の持ち主。

この経験から子どもの才能を伸ばすためには、家庭環境が重要、ひいてはそれは家の間取りが非常に重要になってくると言っています。

間取り次第で、親と子とのコミュニケーション、信頼関係が大きく変わるそうです。

 

そもそも、日本は昔、長屋などの住まいが多く、壁が薄く隣の音が聞こえてくるような状況でした。

そのため、自然と住居者同士がお互いを思いやり、助け合う関係が構築されていました。

そして、お互いを意識し、状況がわかるような状況の中「言わなくてもわかる」「多くを語らなくても伝わる」という日本人独特の文化が構築されてきました。

 

対して、欧米は石の文化であり、きっちりとした間仕切りにより「個」が守られてきて、お互いを知る機会が少なかったと言います。そのため、いわゆる「欧米人は自己主張が強い」と日本人は思います。これは、お互いが知らないため、はっきりと主張しないと理解してもらえないという文化で育ってきたからだと筆者は主張します。

 

筆者はこの本の中で主張するのは、子どもを完全に締め切られた密室に閉じこもらせないということです。そして、賢い子(この本では「なりたい自分になれる力を身につける素養のある子」と定義)を育てるためには、まずマズローの欲求段階説を理解し、満足させなければならないと言います。

 

 

書評ハジメマシタ

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%87%AA%E5%B7%B1%E5%AE%9F%E7%8F%BE%E7%90%86%E8%AB%96

 

アブラハム・マズロー(1908-1970)は欲求を五段階に分け、人はそれぞれ下位の欲求が満たされると、その上の欲求の充足を目指すという欲求段階説を唱えました。下から順に、生理的欲求、安全の欲求、帰属の欲求、自我の欲求、自己実現の欲求という順になっています。

 

1.生理的欲求(physiological need)

2.安全の欲求(safety need)

3.所属と愛の欲求(social need/love and belonging)

4.承認の欲求(esteem)

5.自己実現の欲求(self actualization)

 

 

子どもが自ら、「なりたい自分になれる力を身につける素養のある子」になるためには、つまり、マズローの5段階目(自己実現の欲求)を満足させようとすれば、1~4を満たさなければなりません。

一般的な家庭では第一段階の生理的欲求(食事、睡眠など生命維持のための本能的欲求)は満たしています。

また、第二段階の安全の欲求(経済的安定性、健康の維持など安定を得ようとする欲求)もほとんどの家庭では満足できています。

しかし、第三段階(所属と愛の欲求)、第四段階(承認の欲求)を満足できている家庭がいかに少ないかを説いています。

つまり、子どもとのコミュニケーションの不足、愛情がそそげていない、子どもを認めていない、などです。

この段階が満足できていないと、子どもは当然ながら第5段階の「自己実現の欲求」を渇望するはずがないと筆者はいいます。

 

この考えは非常に新鮮ですね。そして、妙に納得しました。

親は勉強しろだとかを一方的に言う前に、それらの欲求を満足させてあげることが親としての勤めではないでしょうか?

 

オススメの間取りをひとつだけ紹介。

キッチンのオススメは「カウンターキッチン」

 

子どもを認めるには、よく「聴く」ことが必要だといいます。

母親が食事の準備をしながら、子どもと話をしている状況があったとします。

壁側のキッチンであった場合、会話をしていても、面と向かって話すことができず、子どもは無意識のうちに母親は「聴く」状態ではなく、「聞こえている」状態と感じ、認められている感じがしないと言います。その点、カウンターキッチンは食事の準備をしながらでも、子どもの顔を見ながら話ができ、「聴く」ことができます。

 

 

前回の理系脳-理系に強い子どもに育てる技術でもそうでしたが、ページは少ない(180P程度)ながら、非常に濃い内容が書かれていると思います。

 

引っ越し、新築を考え中の方は、一度読んでみてはいかがでしょうか?

 

【総合評価】

★★★★★