野沢尚さんの「殺し屋シュウ」を一気に読破。


野沢さんにはめずらしいハードボイルド短編集。
やさしくて冷酷に徹しきれない殺し屋、シュウが実の父をあやめてから殺し屋になり、ひとりの女性と知り合って、再び家族を取り戻すまでを描いた作品です。
やたら格好ばかりつける、形から入るハードボイルドじゃなくて、シュウの悲しみや苦しみが、やさしく描かれています。


 


野沢さんを知ったのは、「リミット」。
安田成美さんと田中美佐子さん主演でドラマ化されたんですが、それとは気づかずに買って読みました。野沢さんはもともと脚本家で、テレビの世界に収まらずに小説を手がけるようになりました。
初期の作品はマスコミを取り上げて消化不良の作品が多かったのですが、リミットと「深紅」でブレイクしました。



そんな野沢さんでしたが、昨年6月28日、自ら命を絶ったのです。享年44歳の若さで。
いまだに自殺の動機がわかっていません。
野沢さんの作品を読んでると、なぜ亡くなってしまったんだろう・・・って本当に不思議でなりません。


殺し屋シュウには、「急逝した著者がハリウッドで映画化を夢見た幻のシリーズ」という帯がついていました。大げさじゃなく、もっと長生きしてたら叶うかもしれない夢だったかもしれません。